~エッセイ:習慣と文化と、その間 7
(Essay : Living as Muslima in Japan 7)
日本国内のユニクロで、Hana Tajimaさんデザインの、
ムスリマファッションが発売されて数ヶ月。
Hana Tajimaさんのデザインが、日本のユニクロで!と、
日本に上陸する前からワクワクしていたのですが、
売り上げは、あまり良好ではないというお話を伺いました。
はて。どうしてだろう。
デザインや柄・・など、好みの問題もあると思いますが、
「イスラム教徒のファッション」という
イメージが先行してしまったからでしょうか。
ユニクロさんは日本のプレスリリースでは、
「コンフォートウェア」という言葉で、ブランドを表現しています。
http://www.uniqlo.com/jp/corp/pressrelease/2016/06/16061415_ht.html
皆さん、ムスリマには、ムスリマのファッションが必要なんでしょ?
と、思うもしれません。
けれど、非イスラム圏においては、
「そこにある服をいかに利用するか」・・ということも、
非常に大事だと、私は考えます。
つまり、ムスリマファッションと、
声高にうたう必要はないのではないか、と。
例えば、Hana Tajimaさんの、こちらの洋服。
パッと目を引くのは、ヒジャブ(ヘッドスカーフ)で、
それ以外は、誰が普通に着ていても、おかしくないですよね。
逆に、ムスリマが好む、体形が隠れるふんわりした服は、
一定年齢以上の女性たちのニーズに合っていると思うのです。
ある年齢をすぎると、女性たちはおそらく、自身の体形を気にし始めます。
痩せにくいし、メリハリもなくなっていくし(XX)
とにかく、隠したい、ごまかしたいという方向に、意識が向く。
(私もそうです。)
美魔女的なスタイルの女性なんかほんの一握り。
若い女性たちが着ているようなぴったりしたものや
丈の短いもの、露出の多いものは、なかなか着ることができません。
カバーしながら、自分らしく、きれいに見える服がいい。
今、ガウチョパンツとか、スカンチョとか、まだ流行ってるでしょ?
他に、ロング丈のプリーツスカート(タイトは駄目ね)、
ゆるくて丈の長いトップスも、様々なデザインが売っています。
ワンピースもトップス代わりになる。
UVケアの関係で、夏でも薄い長そでのカーディガンが売っています。
ゆるい丈長トップス(ワンピース)+ガウチョパンツ+長そでカーディガン。
このコーデだったら、ムスリマも着られるはずなんですよ。
例えば、同じくユニクロさんのスタイルブックにあったこちら。

これにヒジャブをかぶってみると、それっぽく見えますよね。
となると、わざわざ「ムスリマファッション」としてうたった洋服と、
既存のお店のものと、何が違うのだろう?ということになる。
逆に「イスラム教徒のファッション」と認知されたがために、
「そういうものだ」という意識が働き、
日本の女性たち、他の外国人にはスルーされちゃう可能性もあるのではないでしょうか。
日本発の、ムスリマさん向けファッションが出てくるのは大歓迎!
和風なヒジャブや、ファッションもステキだし、
素材も含め、Made in Japanに魅力を感じる方もいっぱいいると思います。
主に、観光客向けやアウトバウンドとして。
けれど、在日の方々には、
日本で売っている普通の洋服をいかにコーディネートすれば、
ムスリマファッションとして利用できるのかを伝えていくこと。
ヒジャブの代わりになるスカーフやショールもあると、
利用方法を伝えていくことも大切。
そして、ムスリマファッションを日本の方に認知してもらうには、
ムスリマのためだけでなく、
・・・など、語っていく必要があるのではないでしょうか。
以上、日本における「ムスリマファッション」についての、
私的考察でした。
※夏場、「公共プール」は家族連れでにぎわいます。
周りを見ると、ママたちは、室内にもかかわらず長めの水着に、ラッシュガード。
中には、ラッシュガードのフードまでかぶっている方も。
ビキニなど露出高なものは、ほとんどいませんでした。
私も良く分かりますが・・・隠したいよね、やっぱり(XX)
ブルキニも、売り方によってはニーズがあるんじゃないかなぁ。
※アイキャッチの画像は、シンガポール在住の中澤めぐみさんより、お送りいただきました。
今年初め、シンガポール国内の店舗写真です(^^)
(めぐみさん、ありがとうございました!)